日本企業に勤める外国人が五年未満で転職する割合が高い理由について

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日本企業に勤める外国人が五年未満で転職する割合が高い理由について

  前回の記事で日本で就職している外国人(特に中国人)がなぜ短時間で会社を辞めてしまったかについて私の周りにいる皆さんの事例をあげながら述べました。

 たまたま会社の先輩とランチしていた時に、日本人の先輩が担当している中国の取引先の窓口の方はまた変わったようで、「この一年間で3人目だよ、中国人の若者って本当に根性がないよね、いくら嫌でも石の上にも三年っていうから、そのくらいも我慢できないか???」とかなりテンション高めに不満を吐き出してきた。「仕事もきちんと受け継いでいないのに、前任は自分の都合でささっと消えてしまうのは自分の会社は勿論、取引先にも大変迷惑をかけているのを知らないか?相手はお客だから、仕方がないけど、あんたはそうならないようにしっかりしてね」ってなぜか最後中国人の取引先によるストレスを真っすぐに私にぶつかってきた。こわーい!

 しかし、先輩が行っていることは間違いなく今中国の現状です。中国にいる若者のみならず、日本に働いている中国人若者もかなりの割合で転職している。

「石の上にも三年」の意味を誤解している?

 私も以前新卒で入って働いてただ半年で今の会社に転職してきた転職組です。

 「半年って短すぎない?」ときょとんとする顔でこの記事を凝視している方がいらっしゃるでしょう。

 周りにまだ一ヶ月半で退職届を出してしまった知人がいるので、半年程度で驚かないでほしい笑

 就職情報大手マイナビの2017年調査では、採用した外国人留学生が、5年未満に退職したと回答した企業は47.8%に上がった。

             from 2018年10月10日(水)日本経済新聞「私見卓見」

 5年という数字は私から見ればまだずっと低い、私自身も含めて周りのケースをデータ化にしたら2年で退職した人も5割くらいいたような気もする。確かに、「石の上にも三年」と昔から言い伝えられた言葉がある。当時私が上司に辞めたいと言い出した時にもこの言葉を聞かされた。「石の上にも三年というし、最低でも三年は頑張らないと何も分からないじゃないか」と当時の上司に言われたので、私も勘違いしてその「三年」を期間の三年間だと捉えてしまったが、日本で三年を我慢すれば何か若手の意見を受け入れるシステムでもあるかと期待して帰ってパソコンで検索したら、日本企業に別に三年か何年か経っても何か大きな人事異動といった決まりがなくて、三年とはただ「長い間」の比喩表現として使われていただけだった。

 ということは三年を我慢すれば自分に置かれた状況は確実に変わることはない。何も保証できなければ一回きりの人生を我慢して過ごす理由はないじゃないと毅然と辞めました。

 当時の私みたいに今も「石の上にも三年」の意味を勘違いしている日本人の方がいらっしゃいますか?~

 

外国人が辞める理由ー三つのパターン

 今まで見てきた外国人が辞める理由を主に以下の三つのパターン。

 ⓵年功序列(日本人の場合にも通用)

  同じ会社に勤めて長ければ長いほど高い賃金を貰えるという理不尽の制度、なくそうと改革を起こしているが製造業などの中堅企業にはまだまだ根深く現役実行中。この理由は外国人のみに相応する理由ではなく、いくら有能な若者だとしてもある年齢に達していないと重要な仕事を任せてもらえない。長く働いた先輩の仕事ぶりを見ても自分のこの会社での未来図をはっきりと浮かべない。

 今の若者は昔の時代の方と育つ環境も触れた物事も受けた教育もかなり進化したのは疑えないことだと思う。先輩たちより優れる若手は少なくないはず。しかし、外国人の場合になおさら、留学等の経験に培われた言語能力、コミュニケーション能力、プレゼン能力また柔軟の問題解決力とパソコンスキル等はガチガチ凝り固まった古い「年功序列」に抑えられて、無理矢理に「爪」を隠すように命じられてる。時代をリードする若手には羽ばたくチャンスが必要です。

 ②人間関係

 日本人は自覚しているか分からないが、我々外国人に映っている日本人はやさしさとドライさを兼ね備える。建前と本音をうまくわきまえる器用さを持っている。

 いつも周りの友達から「日本人って読めないよね?!飲み会でワイワイして仲良くなったと思いきや、次回あった時に飲み会がなかったかのように元通りに戻るね、ちょっと怖い!」自分の感情をうまく表現できないせいかもしれないが、日本人をそこまで知らない外国人から見れば、人格が分裂しているようで確かに怖い。

 私も最初の会社で飲み会の際に、普段あまり話せない先輩とたまたま隣の席に座ってたのをきっかけに沢山仕事の話を教えてもらったりプライベートのこともさらけ出したりしてまたプライベートで一緒に遊びに行く約束さえして連絡先を交換したほどかなり盛り上がっていたのも関わらず、翌日会社で普通に満面の笑みで元気よく挨拶して「昨日ありがとうございました。」とお礼を語ったらしらけた顔で軽く会釈で返された。「えーーー?昨日のは何だった?」と呆気にとられた。

 日本人は当たりさわりのない(どうでもいい)話をするのはいいんだけど、本音を深く語る相手じゃないねと我々からの結論です。

 しかも、何もかも明確に言わずに他人が察してほしいという面倒くさい性格は外国人から見れば不思議にしか思えないだろう。

 日本人寄りの外国人ではなければ、このような難しい日本人と長く一緒に働くのはかなりの忍耐力と強いメンタルが必要です。

 ③適材適所されていない

 外国人を雇ったうえで彼ら(我々?)の優勢を最大限に引き出すようにするのは日本企業の使命です。少子高齢化が進んで日本人の若者が足りないから、仕方なく日本人が空いている穴を埋めるために外国人を採用するような受け身の姿勢で臨んだら、日本人に適わない部分しか目に入らなくなる。日本語もうまく話せないか、こんなにはっきり教えているのに理解してくれないか、安心して任せないねと外国人社員の悪いところだけ注目してしまう。

 外国人は日本人社員と異なる文化を持ち、物事を見るときに、日本人と違う視点で見れるから、問題解決も企画の際にもアイディア出しや提案の数も増えるかもしれない、あるいは外国人の言語力を活かしてグローバル市場に邁進しようとポジティブに受け入れてくれれば優秀な人材を確保するのに少し改善できるかもしれない。