外国人に対して日本人がやりがちなダメな「褒めフレーズ」四つー「日本語が上手いね」と褒めちゃいけない?!

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外国人に対して日本人がやりがちなダメな「褒めフレーズ」四つ

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  日本に来てから、よく日本人の方々に日本語を褒めて頂いていました。一番最初は自分の努力を認められた気がして、とても喜んでいました。しかし、日本での生活が長くなってきて、日本人の褒め言葉は女性がかわいいと連呼しているような嘘っぽく感じ始めました。

 好意で褒めてあげたつもりで外国人の機嫌を損なう逆効果になる日本人誰でもやってそうな「褒めフレーズ」と褒め方について、自分と周りの友達の体験と合わせてまとめました。

日本人がよく使う「褒めフレーズ」
1、日本語が上手いね
2、よく知ってますね!
3、(そんなに)なまっていない
4、○○さんの日本語は十分伝わるよ。

1、日本語がうまい

 この言葉は勿論使っちゃいけない言葉ではない。使って喜んでくれる外国人の方は沢山いると思う。但し、使う際に気を付けないといけないのは使うターゲットとタイミング。

ターゲットに関して

☆来日したばかりの外国人
 日本に来る前にある程度勉強したことがある外国人も多いですが、日本関連の仕事に従事していない限り、日本に来る前におそらく日本語を使うチャンスはそれほど多くないと思われます。
 自分の日本語は本当に本場にいる日本人に聞き取ってもらえるか上手く通じるかと心配している外国人が少なくありません。ある意味で日本に来てから初めて自分の日本語の発音や会話力を試される訳です。そこで、日本人の方に「日本語が上手いですね」と褒めて頂くと、「勉強してきたものはちゃんと使えた、私の日本語は普通に日本人に伝わった、しかも上手いと本場の日本人に認めてもらった。」と今まで正確に使えているかどうか分からなかった自分の日本語能力は初めてネイティブから良い評価をしてくれたことでしっかり勉強して良かったと遣り甲斐を感じることができますし、これからさらに努力して深める学習へのモチベーション向上にもつながります。
 嘘を付けって言ってる意味ではないですが、来日したばかりの外国人に対して「日本語が上手いですね」と今まで通りどんどん褒めて頂きたいです。

 
 ☆日本で長く住んでいる外国人
 日本に来て何年も経って日本人同様にこの国で暮らしている外国人にとって、日本語が話せるのは当たり前のことです。当たり前のことを毎回褒められて嬉しいと思う人がいないでしょう。あいさつ程度しか日本語を話していないのに、「日本語が上手いですね」と褒められ、嬉しいどころか、馬鹿にされている気さえさせる可能性があります。普通に日本に住んでいるのに、このくらい話せるのは当然と内心にうんざりしている人もいます。
 

 私も日本に来たばかりの時に、沢山の日本人に褒められて、気持ちが舞い上がって「ありがとうございます。」と心を込めていちいちお礼を言っていました。
 しかし、長く日本に暮らしていると、日本人は外国人に向かって発しているその「日本語が上手いですね」は日本人が初めましての外国人に対する常套句、挨拶文にすぎません。そのフレーズは日本人の女の子が言っている「かわいい」と大した変わらないと思いました。
 本心で褒めている日本人の方が多いかもしれませんが、褒めているつもりで相手に自分の好意が伝わらなければ折角褒めた意味はなくなります。
 私の友達Zさんは来日10年も経ちました。日本人の同僚と雑談する際に、お笑いの話をしていて、彼女は「日本人の沸点が低いから、あんまり同感できないわー」とコメントしただけで、同僚に「Zさん、日本語が上手すぎるわ、沸点っていう言葉も知ってるんだ。すごいね」と皆口を揃って大絶賛。
 「日々日本に生活していて、毎日テレビを付けたら日本語、会社に行ったら日本語、携帯ニュースをチェックしているのも日本語。こんな日本人と変わらない毎日を送っているのに、たったの沸点という言葉を知っているくらいでこんなに褒められるって皮肉にきこえた。

 同じ褒めフレーズ「日本語が上手いね」でも、来日年数が違う外国人にとって感じ取ったことは全く違いますね。やはり気を付けて使ったほうが良いかもしれません。

 褒めフレーズを使う前に、まず外国人相手の自己紹介を聞いて、日本に来てどのくらい経ったかとチェックしてからどうやって褒めるかを判断しても遅くないではないでしょうか。
  来日間もない外国人の方に対して、遠慮なく褒めてもいいですが、ボキャブラリーがそこまで豊富じゃない方でしたら「日本語が上手い」というより発音のほうを褒めてあげたほうが嘘っぽく感じずに相手が喜ぶと思います。

  既に二、三年以上日本に住んでいる外国人の方に対して、何も言わないほうがベストかもしれない。

ー人の努力の結晶を無視していいの?と半信半疑で読んでいる方、

   大丈夫です。本当にうまい外国人は「日本語上手いですね」を数えきれないくらい聞かされていたので、聞き飽きた感もありますし、このちっぽけな会話しか交わしていないのに、自分が日本語勉強に費やしている時間と労力はこの誰にも使いまくっている軽々しい言葉で褒められる必要はないと考えている外国人も多いです。(例えば、私(笑))

 我々外国人と話す時に、「日本語が上手いね」と褒める際に、とにかく褒めるのではなく、TPO(time, people, occasion)を確認したうえで褒めて頂けるととてもありがたいです。


褒める際に注意すべきTPO

【time】来日期間を確認してから

【people】日本に住んでいるベテラン外国人か来日間もない新米外国人か

【occasion】場合によって日本語を褒めるか発音を褒めるか褒めないか

2、 よく知っていますね

 このフレーズは外国人に嫌味を買っている理由は一位の「日本語上手いですね」と多少似ています。

 私自身の話ですが、一回初めましての先輩と会った時に、どこにお住まいですかと先輩に伺ったところで、「巣鴨、知っている?」と逆に聞かれて、「山の手線の駅ですね、便利なところじゃないですか。」と答えたら、「よく知ってますね~」と褒めて頂きました。えー?このくらいでよく知っていると言えるかな?何年も日本に来ている私を馬鹿にしているの?と少し不快を覚えました。心が小さいのもあるかもしれませんが、先輩は勿論悪気がないというか好意で褒めてくださったと思うが、自分にとって何ともないことに大げさに褒めてほしくないというのは私の本心です。

 

3、(そんなに)なまっていない

 これもこれも結構日本人の口からよく出てくる所謂「褒めフレーズ」です。

 「なまっていない」は言われる時点、あなたの発音はなまってるよ、あなたは日本人の我々のレベルに達していないよという上から目線を感じます。

 相手の外国人訛りに気付いているにも関わらず、「なまっていない」と褒めるってどれだけ見え見えの嘘をつくのだろう?とたまに内心でモヤモヤしています。

 ーお前は本当に難しいやつだなぁ、私たちも好意で褒めているんだよ。
 好意で褒めてくれているのは重々承知しておりますが、ただ好意だからこそ、すべて受け取らなければならないととうとう思いません。好意で言っている言葉は逆に相手の気分を損なうことになってしまったら本末転倒でとても勿体ないと思います。

 

4、○○さんの日本語は十分伝わるよ

 これのフレーズはかなりハイレベルの外国人に使う際に、要注意です。

 なぜこれを言うと外国人の気に障ることになるかというと、我々にとって、沢山努力して、一生懸命に練習してできるだけ正しい日本語の発音や漢字や文法や慣用句などを追求しているのに、日本人のように日本語を完全に使いこなすように四苦八苦しているのに、これを言われたら、「伝わる程度」に達しているからもういいじゃないというニュアンスを感じます。

 「伝わる程度」で満足するなら、ここまで頑張らないしととても自分の目標を軽く見下された気がします。

 あなたが出会った外国人は日本語がかなり上級者であっても、「十分伝わっているよ」と我々の努力を歯止めをかけるような言葉をかけるのではなく、ちゃんと間違っているところを直していただきたいです。これこそ私たちが一番望んでいる応援の仕方、私たちの努力に対する一番良い褒め方です。

 

まとめ

   如何でしょうか?意外だなと思っている方も多いでしょう。

 自分の好意でついに使ってしまう褒めフレーズは考えられないところで外国人の気分を損なうことになるかもしれません。

 上述のような褒めフレーズ「日本語が上手いね(上手だね)」、「よく知ってますね」、「(そんなに)なまっていない」、「○○さんの日本語は十分伝わるよ」どれも「外国人にしては......」という大前提があり、それは日本人が外国人に対するある種の優越感にも捉えます。外国人だから、これくらいで上手いよ、外国人にしてこれを知って素晴らしいね、外国人にしてこのくらいできて充分だよという考えから生まれた褒めフレーズ。

 外国人を外国人という別ジャンルではなく、日本人と同じステータンスで見れば、そもそも「上手い」のような評価の言葉が出てきません。これはまたまた別の次元の問題になってきます。(笑)