日本の産科医は妊婦への体重指導が厳しすぎ!—体重制限による莫大なストレスを抱える日本在住外国人妊婦の叫び

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妊娠中の一つの楽しみは定期的な妊婦健診で赤ちゃんがお腹の中でどうな動きをしているかを見ること。
しかし、日本での妊婦健診の日が近づいてくる度に、とてもストレスを感じていたたまれない私がいる。
別に赤ちゃんの健康状態を心配している訳でもなく、他の妊婦さんと同じように赤ちゃんの様子を確認できることは勿論毎回とても楽しみにしているが…

—どんな理由で私が妊婦健診から莫大なストレスを抱えるようになったのか?

―日本の産科医によって妊婦への厳しすぎる「体重指導」のせいだ。

私はつわりがなく、妊娠初期から普通に食事をとっていました。当初お腹が全く出ていなかったので、そこまで気を付けていた訳ではなく、妊娠前と同じくらい元気に動き回していた。
食事の量を増やさずに且ついつも通りの運動量で(別に運動している訳ではないが、日常生活に消耗しているカロリーのこと)日々を過ごしていたおかげで体重は増加しつつも急激に増加したことがなく初期の妊婦健診の段階にかかりつけの先生に特に何も言われてこなかった。
特別に食べる量や栄養のあるものを摂取してこなかったせいか、妊娠中期の採血検査で貧血傾向と言われた。
赤ちゃんがお腹の中にいるのに、独り身のような食事生活を送っちゃだめだと赤ちゃんの分も増やそうと決めた。
妊娠しているのに、ストライクすぎる生活を送っているなんて可哀想すぎたと当初お医者さんに宣言された出産日まで体重を10キロ以内に抑えてくださいとのことを一時ほったらかして間食も明らかに一人分ではないお肉の塊も大好物だけどずっと我慢していたラーメンも勝手に解禁した。
その結果、3週間で体重2.5キロも増えた。
今まで体重のことを特に何も口にしなかったかかりつけ医に厳重注意された結果となった。


国の方針は全然違うと思うけど、あなたが日本そしてうちの病院で出産したいなら、こっちの方針に従わないと、ここでの出産を受け入れられなくなるよ。体重管理の方針は無理なら、国に帰って出産したほうが良いじゃないか?!一番最初に話したことがあると思うけど、体重を10キロまで抑えないと、ダメって、それを知ってて体重管理をしっかりやらないあなたは確信犯だね!ここで赤ちゃんを産みたかったら、食事コントロールをしっかりする、いつもの6割くらいまで減らして、それとも増え続けるなら、半分にするとか…


……


そして、付箋に蛍光ペンで大きく「体重注意」と書いて母子手帳に貼ってくれた。

「この病院があなたを受け入れられない」「国に帰れ!」「あんたは確信犯だ!」…私に注意を起こすために無心にそういう言葉を使ったと承知しているが、いくつかの厳しすぎるワードがずっと頭に浮かんで離れられなかった。
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日本の産婦人科が妊婦さんへの「体重指導」が厳しいと覚悟しておいたものの、ここまで厳しいと思ってもいなかったので、かなりショックを受けた。

その後、何もかもカロリーを気にして、妊娠前にでも特にしていなかったダイエット生活をスタートした。
間食もラーメンも一切食べずに白ご飯も普段の三分の一まで(おにぎり一個分より少ない気がする)減らした。
その代わりに一日2リットル以上のお水を飲んだ。
このような日々は体重厳重注意を判決されてから次の妊婦健診の三週間後まで続いた。
当日にも少しでも体重を減らすために、朝ごはん抜きで水も飲まずに体重測定に臨んだ。
それでも、体重が増加し続いた・・・
三週間で2キロ近く増えた。
引き続き、厳しく叱られて、精神的にやられたうえ、今回の検診に赤ちゃんの頭が小さめだとも言われた。
ひどく偏っている訳ではないが、前回は体重が急激に増加したものの、推定体重は週数にぽったりの平均線に沿っていたが、今回推定体重まで平均より低めとなった。
ガーン!!!
成果は全然出ていないのに、この三週間とにかく体重を抑えようと体重管理ばかり気を取られて、大事な赤ちゃんの成長に関して全く考えていなかった。
赤ちゃんが摂取すべき栄養が足りているのか、こうやって無理なダイエットしてまで体重管理は本当に赤ちゃんのためになっているのかと少し後悔していた。

体重管理はそれほど大事なのか?
体重を10キロに抑えれば必ず元気な赤ちゃんが生まれるのか?
体重が10キロを上回ったら赤ちゃんにどんな影響があるのか?

そもそも、日本において妊婦への「過剰」な体重管理指導って正しいのか?


「家族の幸せの経済学」による

日本は世界2位の低出生体重児*の多い国。
出生時の体重が軽すぎると、その後の健康面に問題が生じ、生まれた後の入院期間が長くなり、成長後の慢性疾患や障碍に繋がる傾向がある。
大きな赤ちゃんが生まれてくると、健康の証だとして喜ぶ人は多いのも医学的な裏付けがある。
*低出生体重児:世界保健機関(WTO)の定義によると、出生時の体重が2500g未満の子供を低出生体重児と呼びます。

今読んでいる山口慎太郎氏著作の「家族の幸せの経済学」の本に書いてありますが、海外の赤ちゃんと比べて、日本において低出生体重児の割合は上から二番目の9.5%、世界でも低出生体重児が特に多い国のようです。
「家族の幸せの経済学」によると、日本において低出生体重児が多い理由はいくつかあるようですが、
例えば、

①働く女性の子供は、低出生体重児になりやすい
厚生労働省が行った21世紀出生児縦断調査の分析によると、出産1年前にフルタイムで働いていた場合とそうじゃない場合と比較すると、赤ちゃんの出生体重は43グラム軽くなり、低出生体重児となる割合が2.4パーセントポイントも上がるようです。


② 医療技術の発達に伴い、従来助からない赤ちゃんも救えるようになった。
未熟児を救うことで結果的に低出生体重児が増えた。


③ 不妊治療による高齢出産のお母さんの増加も低出生体重児の増加と関係があると言われている。
体外受精を行う場合に、妊娠率を高めるために複数の受精卵を子宮に移植することによって多胎妊娠につながる。多胎妊娠は赤ちゃんの出生体重の低下につながるようです。

働く女性が増えるというのが女性の社会進出が進む結果だと捉えていい、医療技術の進化によってかつて生きられない未熟児が助かるようになったこととかつて子供を授からない母親も妊娠できるようになったことのいずれも微笑ましい結果に違いありません。

日本において低出生体重児が多い理由は以上の三つの他、もう一つは「家族の幸せの経済学」にも言及したように、日本の産科医が妊婦に厳しすぎる「体重指導」だと思われます。

「家族の幸せの経済学」に「2000年代半ば以降、こうした指導は行われておらず、今では、妊娠中にはより多くのカロリーを摂取するように呼び掛けられています。」と書いてあります。
私の経験からすれば、この厳しすぎる「体重指導」は2000年代半ば以降にとどまった訳ではなく、今でも現在進行中です。
妊娠糖尿病や様々な合併症を予防するのに適切な体重管理をする必要が勿論あります。

しかし、産科医による厳しすぎる体重指導は妊婦にかかる精神的且つ身体的な負担が大きいということも考えてほしい。
そもそも、体重10キロまでに制約させる必要があるかに対しても疑問に思います。
36週の妊婦健診で今のかかりつけ医に言われたのは、


あなたの体重は本当に7キロに抑えたほうがベストだが、とっくに超えてます。10キロに抑えたいところですが、ギリギリですもんね、毎日ちゃんと体重計に乗って、一日70gを目安に一日食べた食事を見直してください。当日の夜、体重が70gを越えたら翌日の食べる量を減らすというコントロールをちゃんとしなさい。

と無痛分娩のために変えた産婦人科病院の先生にも厳しく指導を受けられました。

毎日大食いしていて、食事制限を全くしていない訳でもなく、妊娠前よりも一日食べるカロリーを削減して、アイスやデザート等高カロリーのものを避け、ほぼ炭水化物抜きの生活を送っている私にとっては先生の言うような体重の増え方はそもそも可能だろうかと自分に自信もなく、体重管理でかなり精神的な負担が大きい。

子供が元気に生まれてくるように頑張りたいが、今毎日体重管理に臨んでいる自分は本当に赤ちゃんのためなのかそれともただ怒られないように産科医の指導に合わせているだけなのか分からなくなってきました。

体重の増え方に関してかなり個人差があるので、食べても太らない羨ましい体質の持ち主と空気を吸うだけでも太ってしまう体質の方がいる訳ですので、それらを区別せずに一概に要求することも合理的ではないと思います。

ネットで見ても、体重管理はストレスすぎてつらいと吐き出している妊婦さんが沢山いました。

Aさん 「今は、朝は野菜スープ、昼は豆腐サラダ、夜はきんぴらやホウレン草のお浸しの副菜を少しつまむ程度にしていますが、未だ体重が増えています。もう、なぜだか分かりません。辛いです。」


B さん「また検診の時に個室に呼ばれて、看護師さんに色々聞かれたり、念を押しながら『本当に食べていない?』って聞かれるのが怖いです。その事を考えると、食事が喉を通らない時もあります。ストレスすぎて、つらいです。」


Cさん「泣いてしまうくらい辛いですよね!!生きてきてこんなにつらい思いをしたのは初めてです。」


Dさん「体型が標準ならそこまで気にしないで大丈夫じゃないかな?!と思います。理想はあると思いますけどね。ストレス溜まるほうが問題かと。」

体重指導によるストレスが溜まっている方、いろいろ食べるカロリーを減らしている工夫している方がこんなにもいらっしゃいます。

この日本特有の体重指導のせいで、妊婦の摂取カロリー量が一般の女性と大差ない、場合によって一般の女性よりも少ないと見られます。厳しすぎる体重指導の結果、充分な栄養が取れない妊婦が増えているからこそ、今でも日本の低出生体重児が多く生まれる大きな原因ではないかと思います。

出生体重は子供の将来にも大きな影響がある。

またまた、「家族の幸せの経済学」が登場しますが、出生体重は子供の将来にも大きな影響があるようです。

① 低体重で生まれた子供は幼少期の問題行動が多く、学力面で問題を抱え、成人後も所得が低くなりがちである。
② 出生体重が重いほど、出生時の健康状態は良く、生後一年間の生存率も高い。
③ 出生体重が10パーセント増えると、20歳時点でのIQは0.06高く、高校卒業は1パーセント上がり、所得も1パーセント増える。

*「家族の幸せの経済学」の本にはデータと具体的な調査方法を書いてあります。
詳しく読みたい方はこちらへ↓

まとめ

「小さく生まれて大きく育てる」というフレーズは間違えて捉えてはいけません。
厳しすぎる体重指導は日本に存在しています。
出生体重は赤ちゃんの健康状態を表す重要な指標ですので、低出生体重児が生まれてくるリスクを防ぐため、赤ちゃんに必要な栄養を送り続ける必要があります。体重管理のために過小なカロリー摂取は赤ちゃんに必ずしもいいことではありません。
逆に赤ちゃんの出生体重は重いほど健康、学力などが良くなる傾向があります。
体重の増え方に関してかなり個人差があるので、ストレスを抱えすぎるあるいは無理なダイエットはそれほど必要がありません。
念を押してもう一回言いますが、全く気にせずに体重を増やしっぱなしは妊娠高血圧症候群や合併症にかかるリスクがあるので、体重管理を適切に行う必要があります。
適切に体重をコントロールしながらストレスフリーで最後の妊娠生活を送りましょう❢