【大声?腕を組む?対人距離が近すぎ?奢ってくれるのが当たり前?】日本に住む中国人は「純中国人」の行動に抱く違和感

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【大声?腕を組む?対人距離が近すぎ?奢ってくれるのが当たり前?】日本に住む中国人は「純中国人」の行動に抱く違和感

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 2019年で来日して五年目を迎えます。長いと言ってもようやく小学校の最高学年に登り詰めたくらいの年月と同じです。

 このくらい日本に暮らしたら、周りの環境に馴染んでいて、逆に日本で触れたことこそ当たり前だと思うことが増えてきた。

 つい最近、小学校の同級生(女子)が有給休暇を取って遊びに日本へやってきました。しかも10日間。
 有休を取得しやすい中国の働く環境に羨望。

 大学時代に一回同窓会で会ったきりだった。
 彼女とWeChatで友達になっているので、お互いにモーメンツの近況報告をチェックしつつ偶に連絡を取るくらいの仲です。日本のSNS世界と同じ、中国のSNSにもリア充アピールで満たされる華やかさを見せている。
 
 SNS世界にいるのは本人に近いが、決して本人ではないと悟っている私は、
上海や北京等中国主要都市に転々としながら頑張っている彼女は今中国でどんな生活をしているかととても気になるし、おもてなしをしなければと二人が会うことにした。(彼女の転々生活はまた次回に

 そして、約束の日に、わくわくしながらいつもより化粧をバッチリ施して、待ち合わせ場所に足を運んだ。
 向かう場所はJR新宿駅東口だった。
 5分前に到着し、駅前の交番で携帯を弄りながら待っていたら、急に遠くから私の名前を呼ばれている気がした。少しびっくりしたが、すぐ彼女だと分かって慌てて、頭を挙げて人ごみの中で声の持ち主を探し始めた。
 思ったより見つかるまで時間がかからなかった。
 彼女は道路の斜め向こうに立って信号を待っている最中にもお構いなし、私に向かって手を大きく振りながら遠慮なく私の名前を呼んでいます。勿論中国語で…
 こんな距離でこれだけの雑音を通り抜けて私まで届くのにかなりの声量が必要だったと想像がつくでしょう?!
 この日本であまり見当たらない光景にびっくりして彼女の方に熱い視線を送る通行人もいれば、見慣れているせいか全く気にしていない人もいた。
 私と会うのにこんなにも興奮して素敵な笑顔を見せてくれるのは嬉しいが、注目の的となるのが恥ずかしかった。人目を避けて控えめに手を振り返した。

 信号が青になった、彼女がこっちに近付いて無事に集合した。
 すぐにも違和感を覚え始めた。
話す時の顔と顔の距離はおよそ一つのこぶし程度しかなかった。
 
 ハイテンションで挨拶を交わした後、予約した居酒屋に向かった。
 妙に距離が近いなぁと少し引き気味だが、久々に会えた同級生を前に昔話やら噂話やら私も徐々に先程の違和感を頭から抜けて、まくしたてるような調子でかなり饒舌をふるった。
 って無我夢中になったその時に、
 彼女が急に腕を組んできた。
 一瞬ピリッとした感覚が全身に走った。
 確かに中国にいた時に、しょっちゅうこうやって友達と腕を組んで歩いたが、5年も彼氏以外の人を組む機会がない私にとって再び違和感が浮上してきた。
 同級生が組んできたのに、ちょっと引いている顔を見せられなかった。違和感を拭えないまま、居酒屋に移動。
 好き嫌いがないかを聞きながら注文を出して、そのあとは料理を堪能しながら楽しく雑談していた。
 折角に日本に来てくれたから、(私が会いに来たわけではないけど、私が暮らしているところでもあるし、タイトなスケジュールの中から私と会う時間を割いてありがとうと思って)今日のご飯は私が払うと心に決めて、
 もし彼女がどうしても払わせてくれなかったら、気持ち的に1000円を貰うかとのやり取りの対応策も巡らした。
 いざご馳走様の時間が来て、テーブル会計だったので、席に座ったままで財布を出してそのままお金を伝票ホルダーに挟んでスムーズに店員さんに渡してお釣りをもらって会計終了。
 すべてはスムーズに進んだ。そうだ、スムーズに...
 彼女は終始財布のチョイ見せも省略して、私が奢るのを当たり前だと思っているように微動だにしなかった。そうか?これは普通だったか?長く日本にいると、いろいろ日本化された私のほうがおかしかったかな~

 以上、今回小学校の同級生と久しぶりに会って食事した話だった。
 今回は中国にいた時のいろいろを思い出しながら、長く日本にいる中国人は「純中国人」の行動に覚える違和感となぜこんな行動をとるかについて話します。 

 
 前出のエピソードに違和感を覚えたのはおおよそ四つがあると思います。

1、 人目をお構いなし、大きな声で私の名前を呼んだ。
2、 私の顔にくっ付きそうな距離で私と話した。
3、 普通に腕を組んでくる
4、 私のおごりに対して普通に受け入れる

他のがあればぜひコメントにて教えてください。

 とりあえず、これらの四つを見て行けば、この行動にそれぞれ意味があると分かる。

1、 人目をお構いなし、大きな声で私の名前を呼んだ。

 これに関して理由がさまざまです。

⓵中国語の発音習慣

 中国語の発音ははっきりしていて口をきちんと動かさないときれいに発音できない。四つの声調があるので、正確に発音するのに声を出さないと成り立たない。
 私もよく中国語をしゃべる時に日本語の時より多少声が大きいと言われたことがしょっちゅうある。

 しかし、これは原因の一つに過ぎない。主な原因ではない。
 日本に長く暮らしている中国人は、「純中国人」の大声に違和感を覚えるくらいだから、大声で話すことは暮らす環境に大きな関係があると思われる。

②中国の騒音環境

 この国に13億人が生活しています。都市部だったらさらに人口が密集している。日本のようにバス、電車などの公共の場で携帯電話や大声のおしゃべりをお控えくださいとの暗黙のルールもなく、大声で話すことに関して人にご迷惑をおかけしてしまうかもしれないとの意識もないので、これだけの人数が同時に自由にしゃべり出したら、自分の声をうまく相手にキャッチさせるように皆人一倍に頑張った結果、大声で話すという習慣を身に付けた。

③自分の大声に関して意識していないか迷惑行為だと思っていない

 そもそも②に述べられたように、大声の中で暮らしたら自分が大声で話しているという自覚がないと思う。他人と変わらない行動をとっていれば、他人に迷惑をかけているという風に思えないでしょう。

④大声は朗らかで陽気なイメージを与えるので、大声で話すように教育された

 人の質問に大声で元気よく答えると小さい頃から親や先生に躾けられた。大声で話す行為は自分の発言に自信があるとの表しです。自分の主張や思いを堂々と相手に伝えられるのは、大声で自分の思うことを人に話すことによって自信をもたらしてくれたおかげかもしれない。

2、 私の顔にくっ付きそうな距離で私と話した

パーソナルスペースが狭い。

 中国人のパーソナルスペースがとても狭い。近づいて話すのは自分が警戒していなく、相手を信頼している証拠です。

3、普通に腕を組んでくる

⓵二人仲良しへの再確認

 腕を組むのは、私たちの仲の良さを再認識するための行為です。腕を組んで、体を密着して二人の繋がりを感じ、さらに「身内」意識を共感する。要するに仲良いアピールであり、一種の「愛情表現」です。
 女子の間に双子コーデをしたり、自撮りしたりするのと同じような意味です。
 

②道路環境への対策から生まれた共同作業

 中国では、道路環境が非常に混雑している、さらに、騒音が飛び交っているので、横並びのほうが話しやすいし、腕を組むと二人が一つの塊になっている。向かいから歩いてくる人にいちいち離れて道路を譲る必要もなくなる。二人が人込みの中ではぐれずに行き来するようにするため、練り出した対策でもある。

4、私の奢りに対して普通に受け入れる

 中国語には「东道主 dong dao zhu」という言葉がある。
「东道主」にはイベントの主催者のこと、また食事や宴会へ誘う側のほうを「东道主」と呼ばれる。
「东道主」が遠くから足を運んでくれたお客様にごちそうするのは一般的です。例えば、今回のエピソードも、同級生は中国から私が暮らす日本にやってきた。日本に住んでいる私は「东道主」になるわけです。

彼女を奢ることは私のホスピタリティの見せ場です。
 逆に、今度彼女が暮らす都市に遊びに行く際に、当たり前に彼女の好意を受け入れるのは中国流である。

  日本化され、自国の流儀を忘れ、同級生の彼女を誤解しそうなところだった。
危なかったなぁ~

最後に

  人それぞれ価値観や常識の範囲は異なるので、特に全く違う文化を持っている異国だったらなおさら、表面現象にとどまらず、深く理解する必要がある。
 行動の裏に絶対に何かの真実が潜まれている。それらの行動をもたらした原因を判明すれば、今まで抱えていた違和感を「なるほど、面白い」と思うようになるかもしれません。