日本人に困惑させる中国人の挨拶常套句「食べたの?」 【一通電話から気付いたカルチャーショック】

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日本人に困惑させる中国人の挨拶常套句「食べたの?」

【一通電話から気付いたカルチャーショック】
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こんにちは、あかねね(@NUfk0eJcvXqi0Dj)です。
9時ちょっとすぎた時に、いつも通りに家族に電話をかけた。特に用がないけど、こうやって要件が無くても頻繁に家族と連絡を取ることも中国人が家族とのつながりを大事にしている表現かもしれない。
 いつも旦那に「用がないのに、長電話する意味が分からん。時間の無駄やん~」と厳しく批判されているが、
両親と離れて海外に暮らしているからこそ、家族とコンタクトをとることは大事だと思っている。
 それは、用があるかどうかと関係ない。
 これに関しては、何か親に聞いたり伝えたりしたいことがある時にだけ両親とlineでメッセージを送る旦那と観点が全く違う。今まで私の観察だと、彼が両親にlineするものの、電話をかけるのは滅多にない。テレビ電話なんて勿論皆無。
 
 これはこれで立派なカルチャーショックかもしれないが、
 ここで語りたいのは一つの挨拶常套句である。
 ネットでよく書かれていて、日本人に有名な話だと思った。
 まさか彼からまだこんな疑問を抱えているととても意外だった。

(私が普通に妹とテレビ電話をしている。)



干嘛呢?吃饭了没?(なにしてんの?ご飯を食べた?)



吃了。你吃了没?吃的啥?(食べたよ。お姉ちゃんも食べた?何を食べたの?)

・干嘛呢=干什么呢。
嘛:西北地方の方言。

・啥=什么。西北地方の方言。
 
 その後は、5分以上の夕飯のおかずの紹介と報告タイムが続く……
 夕飯の報告を終え、スキンケアの心得をはじめ、近況報告及び世間話をして電話を切った。

それから、旦那からのはてなマークが嵐のように襲ってきたー



最初の延々と続く「食べた?」トークってなんなん?時間をみろ!9時もすぎたのに、食べたにきまってるだろう!



…… 
 別に食べたかどうか、何を食べたかそこまで関心を持ってないし…



その話題で30分も電話したくせに、何が関心ないって言ってんの?



…… 
食べたかどうかだけで30分も話してないし…
ご飯の時間じゃなくても、「食べたの?」って聞くのはただの挨拶だよ。

そうか?「吃饭了没」という中国式の挨拶は理解できていないか?
「ご飯を食べたの?」は電話だけではなく、誰かとすれ違った時に、かなりの頻度で耳にするこの挨拶常套句。

確かに、日本人の場合に、
「ご飯を食べたの?」と聞くのは、相手をご飯に誘う気がある時だけかもしれない。

 そもそも日本人の挨拶はとても淡々としている。

 日本の場合に、言葉を発さない目礼や会釈が多い。挨拶はもはやお互いに今会ったという事実を確認するだけの行為とみなされる。そこで、具体的な質問をされると、話が長引く恐れが生じるので、逆に相手に迷惑をかけることになる。

 勿論要件がある際に、前置きとしてきちんとした挨拶が必要とされる。
 お互いに確認するための挨拶であろうが要件の前振りであろうが、「ご飯を食べたの?」と聞かない。

それじゃ、なぜ中国人の挨拶は「ご飯を食べたの?」となったかを考えよう。
民以食为天”Mín yǐ shí wéi tiān.「民は食を以て天と為す」という言葉があるほど、中国人は「食べる」ことに執着している。

20世紀60年代になると、自然災害の多発と人為的な原因による食材が不足していた時期が長く続いた。その時代、人々が最も関心しているのは「食べる」ことである。
なので、人と会う時に、「食べたの?」と聞くようになった。
「食べた=元気」という考え。
こういう悲しい時代背景から生まれた挨拶の常套句。「吃饭了没」

③ 「食べたの?」という言葉は人のことに自分の関心を示しつつ、人のプライベートに入り込み過ぎない最適な挨拶かもしれない。

時代の産物と言われるこの挨拶は近年、段々別の言葉に入れ替われているが、まだまだ現役使用中~

ちなみに、2015年から全面一人っ子政策を廃止されてから、若い夫婦の間に流行っている挨拶は、
「二胎生了没」(二人目を生んだ?)だそうです。

それだったらやはり「食べたの?」との挨拶のほうが随分マシだね!