お通し代を払わされるのが日本のおもてなし?外国人客が戸惑う日本では当たり前のお通し文化

スポンサーリンク

スポンサーリンク

f:id:akanenechan:20190820154102j:plain
我が家に一つの微笑ましい暗黙のルールがあります。
それは花金になると、必ずどこかで外食することです。
また一週間頑張りましたと夫婦お互いに労わり合う気持ちを含めて、誰も料理を作らなくていい、ただ美味しいものを楽しむのんびりと過ごす二人だけの夜を設けています。
主に居酒屋でお酒を飲みながらたわいのない話をすることが多かったですが、日本の居酒屋は分煙するところがほとんどなくて、妊娠してから居酒屋での労わり合い会を断念せざるを得なくなりました。
居酒屋から池袋の中華料理屋さんや百貨店の屋上レストラン街に私たちの花金基地を移しました。
この前、いつも通り過ぎる街に、きょろきょろお店を探していたら、お店の外で客の呼び込みをしているイケメンお兄ちゃんに、二人がたばこを気になるとズバリ見抜かれました。(私のお腹が大きいからかー?!)


うちはっきり分煙している訳ではないけど、奥の座席はホールと離れていて、しかも仕切りがちゃんとあるから、今親子のお客様が入ったばかりですよ。言っとくから、喫煙のお客様をそこに案内しないようにします。

今、客引きの若いお兄ちゃんは本当に気が利くね。二人で居酒屋に入るのも妊娠以来だしと思ってこのお店にしました。

お店はどうかまずとっておいて、いつも通りに楽しい時間を過ごせました。
産休に入って給料が減ったせいか、昔のようになんぼでもいいやという気楽な注文ぶりではなく、今はちゃんと値段をチェックして割とコスパが良い品を注文するように心がけています。
しかし、会計する際に、当初計算する金額より千円以上も上回った合計となりました。

レシートの詳細を見ると、お通し代として二人で税込みで1080円と徴収されています。

お通し?そうか?居酒屋に来るのが久しぶり過ぎて、日本の居酒屋にお通し料金をチャージするという私が少し理解不能のシステムがあるんだ。

ちなみに、このお店のお通しは薄っぺらい生ハム二枚でした。

私は妊娠中なので、生ハムが食べれなくて、自分の分も旦那に譲りました。食べていないので、味がどうかと評価できませんが、旦那が可もなく不可もなく普通とコメントしています。
二枚の生ハムで1080円?高くねえ?
f:id:akanenechan:20190820152314j:plain

美味しいものは別として、食べれないものを無理やり出されて、食べていなくても強制的にお金を払わされると理不尽すぎるとムカッとしました。
勿論、食事代と別にサービス代で10%取っている国もある中で、お通しで簡単な料理が出てくる日本がマシだと思っている方が多くいらっしゃるでしょう。

お通しはなに?何で存在しているの?

調べてみたら語源に関して諸説がありますが、意味としては調理場にお客様からの注文を間違いなく通しましたという意味だそうです。
お客様から注文を受け、料理が出来上がってお客様のテーブルに運ばれるまでの間にお客様に待たせているので、その間にお客様が簡単につまめるものがないとお酒が進まないし、小腹こしらえ程度でお店側から一品料理を出すという日本料理店の心遣いだそうです。

お通しは本当に必要なのか?

上述のように、お通しはもともとお店側がお客様への心遣いと言われていますが、今ではお通しを出す理由は当初のおもてなし精神に従っているかというのが疑問です。
多くのお店は原価の安い作り置きや出来合いの食品をお通しとして出されているようです。単純に席料代わりとしてお通しを出しているお店が多いのが現状でしょう。
席料として請求されるなら、そのお店は席料をとるのに相応しいお店なのかそもそも疑問です。

私も過去にこんな経験がありました。

初めて日本に遊びに来ている外国人の友人を居酒屋に連れて行きました。日本のお通しシステムは日本の居酒屋の不文律です。英語はとやかく、日本語でさえ事前に説明を受けることがほぼありません。
友人は勿論この日本特有なお通しシステムが知らなくて、お通しの塩辛を運ばれてきた時に、びっくりして、なんですか?と聞かれて、生魚の内臓だと説明したら、
食べれないけど、実際に注文した料理が出てくるまでサービスでお客様におもてなしするなんて本当に素晴らしい文化だねと大絶賛しました。
自分でお金を払うんだよと言い足したら、前もって説明をされていないし、頼んでいないものを勝手に出されて後で強制的にお金を請求されるなんておかしい!!!
と態度が一変しました。

欲しいものを買おうとする時に、おまけを安く付けるから、おまけも必ず購入してくださいといらないものまで押し付けられるのがやはり違うと思います。
しかも、お通しの場合に、安いおまけではなく、なんだこれと思うものでも一人で300円から500円までチャージされます。

勿論、あたりだと思わせるとてもおいしいお通しを出すお店もあります。お通しがおいしすぎてお通し目当てのお客様がいるほど感動的な味を提供するお店もあります。
それだったらお通し代をチャージせずに手の込んだお客様がおいしいと思うお通しを普通にメニュに加えればいいだけの話です。

お通しがいらないと思うなら、どうすればいいのか?

大事なのは断る勇気を持つことです。

① 席を通されて直ぐに、「お通し要りません。」とはっきり言っておく。
勿論、お通しが決まりだと断るお店が多いのを予測できますが、最初行ってみることが大事です。

② はっきりお通しが要らないと伝えてもお通しを押し付けられそうなときに、自分の食べれないものを事前に伝える。
私の場合に、妊娠しているので生魚や生肉等は基本的にNGですので、他に偏食の方や食物アレルギーを持っている方も自分の状況をちゃんと伝えれば、ある程度融通を聞かせてくれます。また、お通し代自体をチャラにしてもらえない代わりに、他の料理を出してくれる等適切な対応をしてくれるはずです。

外国人に理解してもらうために、お店側にしてほしいこと

① テーブルチャージ制度とお通し代の金額を事前に明示しておくべき。
なぜ私も含めて多くの外国人はお通しに不満を抱えているかというと、お店側はお通しに関する説明が足りなさすぎるからです。
来日して5年も経った私は数多くの居酒屋を食べてきました。(自慢ではありませんww)
ほとんどのお店はテーブルチャージ代として徴収していることも、お通し代がいくらかといったようなシステムに関する説明を行われていません。
お客様が買い物をする際に、自分が何にいくら使ったかを知る権利があります。
何も知らされていない状態で会計時にいきなりお通し代をチャージされるのがお客様の知る権利を奪われたのと一緒です。

② お通しの内容に関しても詳しく説明すべき。
アレルギーや偏食や特殊な事情を抱えている方を配慮して、お客様の要望にちゃんと聞いてそれに対してお通し代を徴収するかしないかを柔軟な対応をしたほうがお客様満足度をかなり改善できると思います。

③ お通しだけにいくつかの選択肢をお客様に与える。
お通しだけに三つくらいのメニューから選べる選択肢が用意されれば、好き嫌いの激しい方の要望にも満たせるかもしれませんし、お通し代を払った分、自分が食べたいものあるいはマシなものを食べれてまぁまぁ悪くないと不満の声が少しずつ消えるかもしれません。