直訳不能の謎言葉「社会人」―日本にしかない概念?

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直訳不能の謎言葉「社会人」―日本にしかない概念?

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こんにちは、あかねね(@NUfk0eJcvXqi0Dj)です。
 昨日、Facebookのタイムラインで、一人の後輩の投稿を見た。
 とうとう平成最後の冬がやってきたなぁと彼女が書いた2018年の一年の振り返り及び翌年の抱負を語る投稿を眺めながら嘆いた。
 私が大学院にいた時に、同じサークルの彼女はまだ大学1年生で、その後大学院に進学したと聞いて、それ以来彼女の情報が途切れてどうなっているか全く知らなかった。

 あんな初々しい感じの彼女も来年社会人かーーー?
 といろいろ感慨深く思った。

待って!
「社会人?いったいなんだ?」
最近ブログを書いているので言葉の意味に敏感になってきたせいか、いつも目にしているこの「社会人」という言葉に違和感を覚えた。

①「社会人」という言葉は世界のどこにもない日本だけの言葉?

 自分が社会人になった年で、両親に報告しようとする際に、「社会人」を中国語に訳すればどうなるか?と適切な訳し方で頭を抱えていた。
 結局、答えが出せずに「毕业工作了。(卒業して働きだした。)」 と「社会人」という言葉の代わりに自分の状態変化を説明するしか思い出さなかった。

ふと気付いて、「社会人」という概念は明確に存在しているのは日本しかなかった。



中国語:先ほど述べたように、直訳をすると、「社会人」になるが、漢字はすべて中国語に存在しているが、「社会人」という言葉は中国語にない。
 意味で訳するしかない。
「学生ではなくなり、会社に勤め始める人。」


英語:

直訳すると、「social person」(ソーシャルパーソン)となる。全く意味不明とされる。
「社会人」を英語で表すと、An adult「a working, a full fledged」member of society

②「社会人」は正確に言うと「会社人」

 私が両親に中国語で説明するように、単純に学生の身分から、どこかの組織に属して働いている人間への変換だという意味で捉えたら、フリータ―も社会人であるはず。

 しかし、私が知っている限り(一律にはねのける訳ではないが...)日本では、
高卒あるいは大卒からずっとフリーターをしてきた人は「社会人経験なし」とみなされる。
 何年も、何十年もアルバイトやパートの経験をしても「社会人」とみなされないよう。
 アルバイトやフリーターをしている人もちゃんと社会に出て働いているのに、「社会人」の範疇に入らないのはとても納得にいかない。

「社会人」=「会社にフルタイムで勤めること」とするなら、
「社会人」ではなく、「会社人」のほうが適切ではないかなと考えれば考えるほど、この「社会人」という言葉に疑問にしか思えなくなった。

 もしかして、日本において、
 「会社」=「日本社会」?

 

③「社会人」というクイズ

 「社会人」と検索エンジンに入力したら、「社会人クイズ」、「社会人 マナークイズ」、「社会人常識 クイズ」と沢山「クイズ」と絡んだキーワードが出てきた。

社会人だから、このくらい知っとけ!
社会人だから、このくらい気が遣えて当たり前なんじゃないか?
社会人だから、説明しなくても分かってんだろう!

社会人としての覚悟があるのか?
社会人として頑張らなきゃね~
社会人としてしっかりやりなさい!

 私の職場では耳に入ったことがないものの、日本のドラマでよく聞くセリフである。

 これらの「社会人だから」、「社会人として」というセリフは、上司や先輩が、仕事が上手くできていない部下や後輩を叱る際に、よく出てくる。
 具体的なやり方を明確に指摘することがなく、「社会人」という言葉をうまく利用して逃げているではないかとさえ取れてしまう。

 言われている側としてこの「社会人」は、簡単そうで難しいクイズになる。
  自分が直面している困難は、「社会人」という言葉ですべて片付けられている気がする。
  
 ゆとり世代の私は、大きな成功も、大きな挫折も体験したことがないので、今のままでもそれなりに幸せという現状肯定感を持っているかもしれない。
 漠然とした理由だけで納得がいかないし、受動的になってしまう傾向がある。
 「社会人だから」という不明確な言葉で罵倒されても、行動に繋がりにくい。
 
 「社会人クイズ」を避けて、何をすべきか?なぜすべきか?といった明確な指示がほしい。

 以上、「社会人」という謎の言葉に対して考えていた。
 あなたも私のように「社会人」という響きに違和感を抱えていませんか?