日本のドラマ主演者の中高齢化から考える【なぜ中国の役者人生は日本の役者よりはるかに短い?】

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 なぜ中国の役者人生は日本の役者よりはるかに短い?

 私は日本のドラマが好きで、日本のドラマを翻訳付きバージョンの更新を待つのが嫌なので、日本語を習得して、日本の地上波に放送されたらすぐに見れるようにしたいのも日本語を勉強し始めた一つの理由と言っても過言ではない。

 ちなみに、日本の地上波に放送されたら、なぜか中国のネット(土豆、YOUKU、bilibili 等)にも一時間のズレだが、瞬時更新されている。日本ドラマに出演している役者の年齢層は中国とかなり違うと気付いて、この違いに関して調べてみました。

日本のテレビの現状

日本ドラマ主演者の高齢化

2017年10月期ドラマの出演者の年齢

2017年の10月期のドラマに主演した役者を見てみると、

「相棒」60代の水谷豊さん(65歳)、「陸王役所広司さん(61歳)。「科捜研の女」50代の沢口靖子さん(52歳)、「監獄のお姫さま小泉今日子さん(51歳)、「ユニバーサル広告社~あなたの人生、売り込みます!~」沢村一樹さん(50歳)。「この声をきみに」40代の竹野内豊さん(46歳)、「民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~」篠原涼子さん(44歳)、「刑事ゆがみ」浅野忠信さん(43歳)、「ドクターX~外科医・大門未知子~」米倉涼子さん(42歳)。「今からあなたを脅迫します」30代のディーン・フジオカさん(37歳)、「コウノドリ綾野剛さん(35歳)、「先に生まれただけの僕」櫻井翔さん(35歳)、「奥様は、取り扱い注意」綾瀬はるかさん(32歳)、「明日の約束」井上真央さん(30歳)。

こんな感じです。たまたま刑事とか高齢役者が必要かもしれないじゃない?

と疑うあなた。

今季(2018年秋)のドラマを見てみよう。

2018年10月期ドラマの出演者の年齢

中学聖日記有村架純さん(25歳)、「僕らは奇跡でできている」高橋一生さん(37歳)、「まんぷく安藤サクラさん(32歳)、「相棒」60代の水谷豊さん(65歳)、「獣になれない私たち」W主演の松田龍平さん(35歳)、新垣結衣さん(30歳)、「天 天和通りの快男児岸谷五朗さん(54歳)、「ブラックスキャンダル」山口紗弥加さん(38歳)、「プリティが多すぎる」千葉雄太さん(29歳)、「科捜研の女」50代の沢口靖子さん(52歳)、「リーガルV・元弁護士」米倉涼子さん(43歳)、「下町ロケット 第二シリーズ」阿部寛(54歳)、「主婦カツ」鈴木保奈美(52歳)、「スーツ」織田裕二(50歳)、「ハラスメントゲーム」唐沢寿明(55歳)...

地上波の主なドラマの主演はこんな感じです。中高齢主演者が多いのは偶然ではない。

thetv.jp

 中国はどうなのでしょうか?

 ゴールデンタイムに放送されるドラマは30代、40代の役者がなくはないが、主演というより主演の俳優や女優に補助して脇を固める役目を果たすことが一般的です。

日本ドラマに中高齢役者が多く活躍している理由

1、芸能経歴が長い洗練された実力ほど評価される

☆中高齢者に当たる役者たちの殆どは若年の時から芸能界にデビューして沢山のドラマや映画に出演し、修行を経てきた経験豊富な実力派。

 

じゃ、30歳以下の若年層役者はどうなんでしょう?

☆彼らも年が若いが、芸能経歴は決して浅くはない。今ドラマや映画の主演として芸能界を引っ張っていくようになった人気俳優や女優の多くは子役出身で、幼い頃から大物役者と同じ舞台で先輩の背中を見上げながら自分の芸を磨いてきた。演じる役も自分の年齢に沿って、子役→中学生→高校生→社会人新米→ベテラン会社員…という無理のない、リアルの自分と近い役作りしていくプロセスを見られる。彼らの演じる役の変化を見て、一緒に成長しているようにさえ感じる。

 中国にも沢山のファンの心をわしづかみしている長澤まさみさん(31歳)、「世界の中心で愛を叫ぶ」を通して中国で人気を博した山田孝之さん(35歳)、日本だけではなくアジアの人々にも魅了している新垣結衣さん(30歳)等々…

 

若いだけじゃ、視聴者の視界に長くとどまることができない厳しい日本の芸能界では、役者の年を問わずに芸がある役者は長寿するのは鉄則のようです。

 

 2、テレビを視聴する側の年齢層が年々高くなりつつある

「オンラインビデオ総研」によるテレビとの接触頻度の調査からみると、10代後半から20代の6人に1人はテレビとの接触がほとんどないことになる。若者のテレビ離れが加速している実態は見てとれる。

www.itmedia.co.jp

 高視聴率を取るために視聴者側の年齢層を考慮し、テレビ局側も中高年層が好む彼らがお馴染みの顔を放送させるのは上策でしょう。

 

3、日本ドラマは何か社会問題、社会現象、職種、刑事等を題材にすることが多い

 日本ドラマの内容を切り口にして見れば、日本のドラマはストーリーを通じて何か社会に呼び掛けて発信することが多い。きゃぴきゃぴとはしゃぐだけのドラマはあまり見当たらない。

 例えば、石原さとみさん(31歳)が主演した大ヒットドラマ「校閲ガール」、世間になじみのない地味な職業をドラマ通して注目を浴びさせた。

 本を読むことは大好きで、勿論校閲という職業の存在も知っている。校閲は誤字脱字や文法間違い等客観的なところにしか手を加えないかと勘違いしていたが、ドラマを見てこの仕事は、一般の人では気が付かないような日本語の使い方の間違いや表現の不自然さ、差別表現の有無、さらには細かいファクトチェック(事実確認)までを行うと知って今まで校閲という仕事をなめたと改めて勉強になった。

他にもアジアで絶大な支持を得らえた「リーガルハイ」、様々な案件を通して正義と名誉に関して考えさせられるほか、弁護士は裁判での熱弁と奮闘ぶりを気持ちよく見せてくれた。

 題材による必要とされる役の年齢設定も多少落ち着いている年じゃないといけないだろうし、このような視聴者に「なるほど」と言わせるドラマだからこそ、役者が鍛えられた揺らぎのない演技で人間の最も弱い部分に触れなければ意味がない。

 

 中国の役者の現状

1、中高齢役者にチャンスが極めて少ない

 テレビ視聴者の年齢層は比較的に若いのが一番の理由だと考えられる。以下の図に示されたように30歳以下の視聴者は8割以上。視聴者が好んでいそうな役者とコンテンツを持ち入れるのはどの国でも同じようです。

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2、子役出身の役者は長くテレビ業界で活躍している方が少ない

 日本ほど芸能学校がポピュラーになっていない。日本には芸能スクールはいたるところがあるのに対して中国では芸能人生と学業を両立できる役者養成所が極めて少ない。演技等を専門的に指導する大学はあるものの、それまでは普通の小学校や中学校や高校の教育を通わなければならない。成績重視の中国において本格的に演技に取り込む専門大学に入るまでの道のりの困難さは想像がつく。回りの圧力に負けて取り会えず学習の道に進んで、子役で知られた名はこの一時の別れで皆に忘却されて、この「取り合えずの離れ」は永遠の別れになったのかもしれない。

3、一時風靡した俳優や女優はいつの間にか華やかな表舞台から姿が消えて「行方不明」になっている

 競争が激しい芸能界、時の流れにつれ、全盛期の顔やスタイルに年月の痕跡が残されて、新陳代謝が速い残酷な芸能世界に生き残るのは崩れない抜群な演技力と堅固な家系背景が必要です。

  チャンスを貰えなくこうやってやむを得なくテレビから姿が見えなくなる人もいれば、何かの作品で一時的に引っ張りだこになってテレビにも視聴者にもちやほやされてその後、ヒット作を超える作品に励むというより追い風に乗ってお金になるビジネスに手を付けたり、本業はどれかと良く分からないほど沢山の領域に踏み込んでいるケースが多々ある。

まとめ 

 日本ドラマの主演者は中高齢者が頻出していると見られる。少なくとも主演になる役者はそこまで若くはない。日本の役者の役者人生が長いこともかなり目立つ。

 それと比べると、中国では、子役は幼い顔をしている子供時代が過ぎてしまったら、清純派女優は少女時代を通過してしまったら、美少年俳優はそのイケメンさとあどけなさから脱皮したら、彼らにとって自分の役者人生に終わりを迎える時期がやってきたかのようです。

   出演チャンスを貰えなくなったせいでドラマに出られなくなったか、自分の意志でテレビドラマから身を引いてしまったか様々な理由があるが、多くの中国の役者は最初のはまり役に役者人生の舵を取られ、そのはまり役を演じる年が過ぎてしまえば姿が見えなくなるのは事実です。

   中国の視聴者が日本より多い、テレビ局は日本より多い、役者の数が日本より多い、なぜ全て整っているように見える中国のテレビドラマは日本のような多様化を見せてくれないですか?