審議中に飴をなめる行為のどこがいけないの?
—―――緒方議員の飴舐め騒動から考える日本式の「非合理」
前日、ただ議会で喉の調子が悪いから、のど飴をなめただけで大騒ぎになったニュースを目に入って、思わず笑った。さすが日本人!
他人にご迷惑をかけないように常に心掛けて行動するというのは美徳だといつも敬服しているが、そもそものど飴をなめる行為によって他の誰かに迷惑をかけているかとの疑問が脳裏に浮かんできた。
自分が主役として飴をなめたままで公の場でスピーチを行ったわけでもなく、飴をなめているのでつばを飛ばしているわけでもなく、多分チュッチュッと大きな水っぽい音を鳴らしてなめているわけでもないだろう。飴そのものも匂いするものではないし、どこかの限定品の高級飴をなめて、周りの人に見せびらかしているわけではないから、喉の調子が悪いから、口の中に含んでいるだけなのに、審議をわざわざ8時間も中断することはないでしょう。
何年も日本に生活してかなり馴染んでいるのと日本と中国は文化礼儀において重なっている部分があるから、私から見ると、全て賛同できないが、多分こういう風に考えているだろうと未だ理解ができる。全く日本と接点が持っていない外国人から見れば、ただ堅苦しくて大袈裟としか思えないかもしれない。
批判される主な理由(私からの推測):
- 国民の税金を頂いて生計を立てている公務員、しかも国民に選ばれた議員として低姿勢で常に自律すべき。
- 議会という公の場に、公然としてその場にふさわしくない行動をした。
- 一議員として厳粛な議会を冒涜するような行動をした。
- 自律できずに、国民のために存在する議会を冒涜するような行動をしてしまい、国民の信頼を裏切る行動でもある。
如何でしょうか?日本人の皆様~
緒方議員の行動は本当に議会を8時間も中断させて、更に謝罪を求めることまでしなくてもよかったではないかと思います。
風邪気味で咳が止まらないので、のど飴を含むことで咳防止になれば、審議中にゴホゴホ咳がうるさいというよりずっとましではないでしょうか。確かに、みんなの前に質問するなら、普通に飴を口から出してからすべきだと中国も一緒なので、私もそう思いますが、それはガムとかただ口が寂しい時に気を紛らわす類のもので、風邪気味で喉の調子が悪かったら話が変わるともっと寛大な心で柔軟に見てほしい。
ある報道記事によって、その日、飴舐め事件をエスカレートさせたもう一つの原因は緒方議員が意味のない質問を繰り返して、他の議員の反発が昂じて大騒動に発展したとのこと。しかし、それはそれでまた別の問題でしょう!
飴をなめることはしてはいけないとどこにもルールとして定められていなかったらなめても非難される筋がないではないかと思います。
「普通、人前にしゃべるのに飴を出してからするでしょう。」
「普通議員くらいでTOPをちゃんとわきまえるでしょう。」
人間それぞれの「普通」が違うので、自分にとって普通かもしれないが、他人から見ればかなりレアか理不尽に感じるかもしれない。
マジョリティーの価値観で全ての人間を束縛するのはいいですが、せめてルールとして明記し、マイノリティーの方に事前予告すべきではないでしょうか。
議会進行中に飴を舐めてはいけないという条例はどこにも記載されていなければなんで舐めた人はこんなにバッシングを受けなければならないですか?
ここで言っておきますが、私は決して緒方議員が審議中、大勢の議員の前に口に喉飴を含ませて質問するのは正しいという意味ではありません。そもそも、この行為は正しいかどうか明確な答えがないと思う。ただダメだと規定されていない。それでは、禁止されていないことをして国民の税金で行われた審議を8時間も中断させることを世間のバッシングの的にするのは妥当ではないかと思います。
今回の飴舐め事件から日本で過ごしたこの何年間のOL生活で見てきた日本の「非合理」を連想させてもらった。意味のない会議ばかり開いて、結局問題解決になっていないとか、打ち合わせをしてもその通りに従わないとか、真面目に古いやり方に執着して効率が悪いのに新しいものを受け入れようとしないとか、大きなプロジェクト等をやはり男社員優先するとか、有給をとる際にいつも恐る恐るという態度を見せなければならないとか、、、言わせてもらえば日本という国に起こっている「非合理」は山ほどある。
私は日本という国が好きで日本人と結婚してずっとここで暮らしていきたいと決めた。しかし、これらの「非合理」を見るたびに苛立つ。このような「苛立ち」を感じるというのは私が未だ完全に日本化されていない証拠になってほっとしています。ゆでガエルだけにならないように気を付けます。